政治

日米欧対中国 AI規制争いに東南アジアが舞台となる

概要

日本、米国、ヨーロッパが人工知能(AI)のルール制定を巡り中国と競争するなか、東南アジアが重要な最前線となっている。日本は経済協力開発機構(OECD)の信頼性の高いAI促進を支援し、ASEANをルール策定プロセスに引き込もうとしている。8月6日にバンコクで開かれたワークショップでは、ASEANの約30人の官員とAI専門家がOECDのAI政策ツールキットについて意見交換し、次年度の発表に向けた議論を行った。OECDは「人間中心主義」や人権尊重を重視したAI原則を掲げており、ツールキットは自己評価の質問票や他国での適用例を含む。日本はこのツールキットを用いてASEAN諸国の参加を促進し、OECD主導のルール作りを推進している。未来のAIの規制・開発方向を考えると、日本は志を同じくする国々を味方につける狙いだ。一方、中国はBRICS枠組みを利用したAIガバナンスの採用を強調し、インドネシアもBRICSに加盟した。7月のブラジルBRICSサミットでは、「公益優先」のAI開発方針が示されたが、OECDはこれが中国のリード志望と見て警戒している。中国はまた、華為技術有限公司などを通じてASEAN諸国に浸透し、Huaweiの市場拡大を進めている。ワークショップ参加者の一人は、「信頼性と技術革新は両立すべきだ」としながらも、「国内利益に最も合ったルールの選択が必要だ」との考えを示し、多くの国が異なる規範案を提案している現状を踏まえ、多角的な視点を持つ必要性を指摘している。

ポイント

  1. 日本はASEANを巻き込み、OECDの信頼性あるAI規範推進を支援し、ルール作りに関与。
  2. 中国はBRICSを利用し、ASEANでのAI規制主導を目指し、地域での影響力拡大中。
  3. ASEAN参加者はOECD規範に支持を示す一方、各国の国益に適したルール選択も重要視。

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