概要
Thames Waterは財政難に直面しており、オックスフォードシャーの新たな貯水池建設費用が当初の予算の3倍以上に膨らみ、最大75億ポンドに達すると発表した。
これにより、南東イングランドの貯水池拡張計画は大きな打撃を受け、推定コストは当初の22億ポンドから55億~75億ポンドへと増加したことになる。
昨年には、同社はこのコスト評価は「頑丈」と説明していたが、最近の調査や地盤・水路の詳細検査により、コストが二〜三倍に膨らむ見通しとなった。
コスト増は水道料金に転嫁され、ロンドン・南東の顧客とともに、Affinity WaterやSouthern Waterの利用者も負担する見込みである。
既に次五年間の料金引き上げが決まっている中、Thames Waterの顧客は約35%、Affinity Waterは26%、Southern Waterは53%の値上げを受けることになる。
英国政府は、建設反対派や老朽化したインフラ改革を進める一環として、30年ぶりの大規模貯水池9つの建設を約束し、今回の新貯水池も国家的重要インフラとして迅速に承認された。
ただし、Thames Waterは漏水削減や水路の再配置が困難とされ、2050年までに1億リットルの水需要増に対応できる見通しが立っていない。
また、地元の反対運動や高裁での訴訟もあったが、計画は進行し、総容量1500億リットルの貯水池建設は計画通り進められる見込みだ。
だが、ウォーターサプライの拡大には多額のコストと環境への影響、及び地元住民の反発も伴う中、Thames Waterはコスト増に対処しつつ、今後の水需要を満たすために取り組む必要がある。
同社は財政の危機的状況の中で救済策や買収候補も検討されており、最悪の場合、国家による一時的な管理(SAR)や買収の可能性も浮上している。
ポイント
- Thames Waterの新たなオックスフォードシャーの貯水池工事費は当初予算の3倍超、£7.5bnに増加。
- コスト増は地盤調査や規制変更によるもので、建設費用は過去の予測と比較し大幅に上昇している。
- 財政難と負債拡大により、同社は破綻危機に瀕し、政府や専門機関が救済策を模索中。