概要
日本は先月、米国と貿易合意を結び、25%の対米輸入関税を15%に引き下げることに成功した。
公式統計によると、2023年第2四半期のGDPは0.3%の成長を示し、市場予測の0.1%を上回った。
前期のGDPは0.1%の拡大に修正され、年率換算では1.0%の成長となり、予想の0.4%や前期の0.6%を上回った。
これにより、日本経済は二期連続のマイナス成長の危機を免れており、安堵感をもたらしている。
この好調は、7月の参院選惨敗後の伊藤首相の不安定な状況を打ち消す効果もあり、世論調査では辞任よりも留まることを望む声が多い。
ただし、後継者候補は見当たらず、野党も分裂しているため政権交代の可能性は低い。
景気回復にもかかわらず、米国による日本の輸入品への関税措置、特に自動車の27.5%の関税は痛手だ。
昨月、日本は日本車への25%関税を15%に引き下げる貿易合意を獲得したが、実施には時間がかかる見込み。
トヨタは年次純利益見通しを14%下方修正し、関税による影響を9.5億ドルと見積もった。
ホンダやソニーも、関税の影響で利益見通しを下方修正している。
経済学者の新家良紀氏は、輸出を中心に日本経済は依然「多くの下振れリスク」に直面しており、特に自動車価格の引き上げが今後の販売や輸出を圧迫する可能性を指摘している。
一方、トランプ政権は日銀に金利引き上げを圧力かけており、それが景気抑制要因となる懸念もある。
日銀は一時的な原因とみて金利引き上げに慎重だが、米財務長官はインフレ問題を理由に金利引き上げの必要性を示唆している。
エコノミストは、今後も経済成長は鈍化しつつも、インフレが2%を超え続けるため、10月に金融引き締めサイクルが再開されると予測している。
ポイント
- 日本は米国との貿易交渉により、25%の関税を15%に引き下げ、輸出競争力を回復。
- 2023年第二四半期のGDPは0.3%増、前年同期比では1.0%と予想を上回る成長を記録。
- 米国の圧力や貿易協定にもかかわらず、国内経済は堅調だが輸出や金利政策には依然リスク。