ブレグジット後の英国、VAT廃止の可能性とその影響を考える

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概要

ドナルド・トランプ氏はVAT（付加価値税）を嫌悪する初めての人物ではない。
今週も同氏はこの税制を「法外」と批判し、VATを課す国々が米国企業を差別していると主張した。
この憎悪が、EUを標的としたトランプ氏の報復関税戦争の一因となった。EUではVATが25％を超える地域もある。

英国が最も厳しい関税を免れたことは「ブレグジットの恩恵」と呼ばれたが、VATの抜本的な見直しを求める声も出ている。
VATは長年不人気で、適用範囲を巡る議論が絶えない。

EU離脱後、VAT廃止の議論が活発化した。EUは単一市場加盟にVAT導入を義務付けているためだ。
マイケル・ゴーブ氏は保守党党首選でVAT廃止を公約し、代わりに「G20で最も競争力のある販売税」を導入すると表明した。

しかし、VATは英国財政の重要財源だ。昨年度だけで1690億ポンドを歳入にもたらし、その額は増加傾向にある。
労働党が私立学校の授業料に初めて20％のVATを適用したことで、来年度は15億ポンドの増収が見込まれている。